長崎県五島列島で水揚げされる鮮魚は特に別格と言われるほど優れています。
なぜ? 五島列島の鮮魚は特に優れているのか!
五島列島近海は対馬海流とリマン海流が重なる場所
五島列島は漁場に関して大変恵まれた場所にあります。驚くほどきれいな海と極めて最良な自然条件が多く揃っています。
- 驚くほどきれいな海。
- 東シナ海に広がる世界でも有数な大陸棚。
- 対馬海流に乗って多種多様な魚が回遊。
- 速い潮の流れで身の締まった魚が育ちます。
浅い海は潮の流れが速くこの海域の魚は速い潮の流れで鍛えられて身が締まり、味が良くなります。また南から北上してくる暖流、対馬海流とベーリング海から南下してくる寒流、リマン海流が五島近海でぶつかりプランクトンが発生して多種多様な魚が大量に集まります。
五島列島はきれいな海、対馬海流、大陸棚、潮の速い流れ、海流が重なる漁場と自然条件に恵まれて、特に別格と言われるほど優れた鮮魚を水揚げすることが出来るのです。
世界でも最大級の海流「黒潮(日本海流)」が九州南西部で分岐して暖流・対馬海流が東シナ海、五島列島を通り対馬に流れており、多種多様で豊富な魚が五島列島近海を回遊します。
東シナ海の特長として、
- 世界有数の大陸棚と深海域や干潟域といった多様な地形。
- 海底はほとんどが大陸棚で、深度200mより浅い。100m以浅の海域が約70%である。
- 東部は沖縄トラフであり深度約2,000mと深い。
- 一方,黄海には大陸起源の冷水塊が周年存在し,冷水系の生物相もある。
- 多数の流入河川により、大陸から流れ込む河川水の栄養塩が豊富。
- 南から流れ込む黒潮(暖流・対馬海流)
河川によって運びこまれる豊かな栄養塩とこれを利用する植物プランクトンが育ちやすい浅い海(太陽光が届く)となっており、黒潮系水と大陸沿岸系水との顕著な潮目の形成も加わり生産性が極めて高い海域となっています。
(長崎大学大学院 松下吉樹教授)