美しいステンドグラスが印象的な五島列島の教会。 その中でも五島列島福江島にあるカトリック三井楽教会のステンドグラスは、五島キリシタンの歴史を聖堂 内のステンドグラスで表現している日本でただ1 つの教会である。三井楽教会は寛政9 年(1797) 大付藩か ら逃れて来た隠れキリシタンの流れを汲む信徒が明治 13 年(1880) に完成させた。その後、昭和46 年 (1971) に現聖堂が建立されたが、長い間ガラス窓しかなく、ステンドグラスは7 年もの歳月をかけて地元 信徒のボランティアの方々によって制作され、2005 年に完成したものである。
今回はその三井楽教会のステンドグラスも手掛けた「538 ステンドグラス工房」の濱崎さんを訪ねた。
カトリック信者でもある濱崎さんとお会いするのは実は今回で3 回目。海辺に佇む赤レンガの愛らしい工房に一歩足を踏み入れれば、高窓にはめられたステンドグラスから注がれる色とりどりの光と、沢山の作品に包まれる。立体の教会のランプや携帯ストラップなど、その作品のすべてが手作り。一つ一つガラスを切り分け、再び繋ぎあわせる作業。大量生産のステンドグラスが市場に出回るなか、ここに並ぶ作品はそれとは明らかに違った暖かさを放っていた。
作品は椿や十字架など五島ならではのデザインも多く、お土産として購入する方も多い。
538 ステンドグラス工房ではステンドグラス制作体験やオーダーメイドの制作も受けつけているとの事。
「想いのこもった作品を持つ」その贅沢を皆さんにもお届けしたい。